240102 雪山

深い青空の下に純白の峰々が連なっている。
そちらに向かって飛んでいるのか、ただ正面から風が吹いているのか、体を取り巻く大気はとめどなく後ろへ流れていた。
荒々しくもなめらかな地形の特徴を眼でなぞり、その美しさに打たれながら、心を砕かれていく。
声が聴こえる。
百合の花が話すとしたらこんな声かと思われる、やさしい声だった。
「わたしはあなたを愛している。
けれど、ここへきたらあなたは死ぬ」