January 2023

風に舞う白いばらの花弁をどうしても灰と思えない
なんとはなしに洋琴の椅子に座ればほどなく日暮れる
湧水にひたした米粒を火にかけ混ぜる素朴なまじない
湖生まれの霧がそっと岸辺へあふれ出て野は潤む
珈琲カップの底に焦茶色の蝶が張りついて残される