February 2023

室の闇の中にもヒヤシンスの白い香りがここと笑う
浴室の鏡のあちらとこちらをシャボン玉がのぼり弾ける
下草のように楡の木をしたたる雪解けの雫に共にぬれる
白濁の湯のなかに一掴みの雪を沈めれば水晶の骨
白く萎れたみずからの花をヒヤシンスが抱いている